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自分は当事者ではないんですが。
近所に認知症のおばあさんがいます。
娘さんと2人で暮らしていたのですが、娘さんが急病で入院。ガンが見つかったそうです。そのおばあさんは自分が認知症だという自覚がどの程度あるのか分かりませんが、とりあえず一人で暮らしています。
しかし、これは怖い。
近所に住んでいるものとしても、このおばあさんに徘徊されたらどうしようもない。
そしてよくある話ですが、このおばあさんがプライドが高く、言うことを聞かない。
別居している息子さんもいるようで、認知症のおばあさんの一人暮らしは危険なので、施設に預けるということにしたんですが、おばあさんは家を出ないと徹底抗戦になっています。
食べ物がないと困るからと言って弁当を持っていっても受け取らない。入って渡そうにも玄関を閉めて入らせない。合鍵で入ろうとしたら扉につっかえ棒をするという状況。
それなのに、お腹がすいたと言って近所にやってきて何か食べさせてくれという。
プライドがあるということなんでしょうが、あまりにも近所迷惑。かといって、食べさせなければ虐待だとわめくらしい。弁当は受け取らないにも関わらず、です。
認知症なのでこういうチグハグな行動を取ることはよく聞く話ではありますが、人間の我というものがそのまま表に出てくるということなのでしょう。
認知症の高齢者が言うことを聞いてくれない対策はあるのか?
こういう困った人に対する対策はあるのでしょうか?
非常に難しい問題ではありますが、調べて見つかった方法を並べてみます。
権威を借りる
認知症の人は、子供に近いところがあるので、
「先生が言っている」
というような言葉には弱いんだとか。
これも人によるとは思いますが、どうにもならないのなら試してみてもいいでしょう。
老人の場合は病院の先生の名前なんかを出すのが分かりやすいのかもしれません。
「○○先生がこう言っていた、だからこうした方がいいと思いますよ」
という感じでしょうか。
小さな子供を扱うのと似たようなものなんだそうです。
逆に言うと、頭ごなしに怒ったりするのはよくない。ますます頑なになって全く言うことを効かなくなるそうです。
こういうところも小さな子供と同じですね。
他人に頼る
手に負えないと思ったら、介護する側が参ってしまう前に、他人に頼る、というのが重要だそうです。自分で相手できる間はいいのでしょうが、こういうことに関しては身内であるほど対応が難しいことがあります。
だから、プロに任せるということ。そのために自治体の職員がいるわけですし、なにより共倒れになってしまっては最悪ですから。
とはいえ、家庭の事情でもあるのでなかなか難しいことだとは思いますが、そこは思い切って頼んだほうがいいようです。
ひとつ間違うと、自分が先におかしくなりますので。
冒頭の例は、他人に頼るタイミングが遅かったことで、認知症のおばあさんが一人取り残されるという結果になってしまったという例でもあります。
自分でなんとかしようと思うのは結構なんですが、それがかえって周りに迷惑をかける、ということを認識しておく必要があるでしょう。
怒らない
あまり強いものの言い方をすると、怒っているように見えるそうです。認知症の人は被害妄想になりやすいので、特に怒らない、強く言わないということが重要だそうです。
あまり怒ったり喧嘩腰の物言いになると、認知症の人が怯えてしまい、余計に何も信用しなくなります。老人が一人で家にこもっているという場合、ただでさえ誰かに危害を加えられないだろうかと考えるわけですから、こういう配慮はとても重要です。
認知症の高齢者が言うことを聞いてくれなくて困る
実際のところ、認知症になってから高齢者を施設に預けようと思っても、大体手遅れです。
無理やり連れて行ったりしたら暴れるかもしれませんし、身体が元気な人の場合、施設を抜け出して家に帰ってくるかも知れません。
どういうわけか、抜け出す、というようなところには驚くほど知恵が働く上に行動力があったりしますので、施設側も油断できないわけですが、大勢を数人で監視しているのですから、認知症の人自体の協力がなければ上手く行かないわけです。
だから、まだらボケ状態の時に、少しずつ施設に親近感を持たせる工夫をして、家にいるより施設にいるほうが居心地が良いという状態に持っていく努力が必要なようです。
認知症でなくても、いきなり引っ越しせよ、と言われたら誰でも戸惑うわけですから、週一回でも遊びに行かせるとか、徐々に慣らす、ということが必要なんだとか。
できるだけ、自分のことが自分でできている間にそういう工夫をした方がいいらしいです。
お金も手間もかかることではありますが、穏やかな晩年を過ごしてもらうための努力ということで、できるだけ信頼関係を保って、高齢者の一人暮らしが危険ということになれば自分から進んで施設への入居を受け入れるような環境を作るのが重要な感じです。
本当のところは、実際に当事者になってみないと分からないものなのでしょうが、それでは手遅れになるかも知れません。
それまでに、恐怖心や被害妄想を取り除くように信頼関係を構築しておくことが何よりも重要ということだそうです。