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管理人のおっさんです。
今回は、コピー用紙の裏表はあるのか?あるけど見分けは付きません!というお話。
管理人、以前製紙会社に勤務していたことがあります
コピー用紙の担当はしていませんでしたが、ちょっとだけ手伝った記憶はありますね~
当時はちょうど古紙入りのコピー用紙が出始めた頃。
コピー機メーカーから品質の認定を受けるのが大変だったように思います。
再生紙になると微妙に品質が変わるので機械に合わすのが大変そうでしたね~
そのための実機テストを何度もやってましたから。
今となっては当たり前にあるコピー用紙ですけど、当初条件を合わせるのは大変だったなと。
それはそうとして。
このコピー用紙に裏表はあるのかなんですけど。
紙なのでもちろん裏表はあります。
しかし、現実的にはそれを判別するのはかなり難しい。
逆に言うと製紙メーカーも表裏差をなくすように努力してきたわけですから。
ではどうやって表裏差をなくしてきたのか?
ということで。
この記事では、コピー用紙の裏表はあるのか?あるけど見分けは付きません!というお話をしたいと思います。
コピー用紙の裏表の差は抄紙マシンによるもの
まず、コピー用紙の裏表が発生する理由なんですが。
これは抄紙マシンによるものです。
紙を抄造するときにはワイヤーの上にパルプスラリーを流してそれをプレスパート、フェルト、ドライヤーという感じで順次脱水して行くことになります。
簡単に言うと、パルプのスラリーを薄く伸ばして水をどんどん減らしていくという作業ですね。
操作としては何かを水に溶かして薄く伸ばして水を蒸発させるということですから、パンケーキなんかで薄い生地を作るのと似たようなものでしょうか?ちょっと違うか?
それはともかくとして。
ここで重要なのはスラリーをワイヤーの上に流すというところ。
ワイヤーは「網」ですけど、網の上にスラリーを流してワイヤーの下から脱水します。
なので、紙の裏側は水と一緒に微細繊維や填料が抜けて行きます。
これが紙の「裏」になります。
一方の「表」には微細繊維や填料は残っている。
なので、表側は比較的キメが細かく、裏側は少しざらついている。
そういう紙になりがちでした。
かつてのシングルワイヤーマシンの場合は、です。
しかし、今はツインワイヤーのマシンが増えています。
ツインワイヤーというのは裏側と同様表側からも脱水するという方法。
紙をワイヤーで挟む感じになるんですよね。
こうなると微細繊維や填料は両側から抜けていくのでその抜け具合を調整すればどちらが表か裏か分からない表面状態になる。
完全に同じにはなりませんが、普通に触った程度ではその差は分からないというのが実際のところ。
印刷の品質的には表でも裏でも同じように使えます、という感じになるんですね~
コピー用紙の裏表差の改善。フェルトの品質向上
コピー用紙に限りませんが。
紙の表裏差改善にはフェルトの品質向上も重要だったと思います。
フェルト、というのは抄紙機に使う用具のことなんですが、モノは「毛布」です。
まだ湿っている紙を湿紙といいますが、この状態の紙を毛布で挟んで脱水するんですね。
湿紙の状態で紙に接触した場合、その表面には簡単に「型」がついてしまいます。
マーク、と呼んでましたけど。
このとき、フェルトの表面性が悪いと「フェルトマーク」がついてしまう。
なので、このフェルトの表面性をいかに均一にするか、紙表面に悪影響を及ぼさないかというのが重要なところ。
管理人はこの部分の詳細は知りませんが、糸で織る「織物」なわけですから、その織り方とか何層重ねるとかでフェルトマークが出やすいかどうか、脱水の効率がどうかとかが変わってくるようです。
よく搾れるフェルトはマークも出やすいわけで、これを工夫して改善するとかやるわけですよ。
その改善は地道で時間がかかる。
だいたい、これがいいんじゃないかという試作品を作るにしても実際に織らないといけないわけだし、本当に効果があるかを確かめたとしても、実機にかけることが出来るまでには紆余曲折がある。
だいたい製紙工場の抄紙機って大型だと幅が5mとかあるわけですし、長さも数十mはあったかなと。
そして重要なことですが欠陥があってはいけない。
どこかに欠陥があるとそれが紙の表面に出てしまって、大量の損紙につなる。
そうなると表裏差改善なんて言ってられない、それ以前の問題になってしまいます。
そういうことをクリアーしてようやくテストが出来てその結果がOKになってはじめて改善されたとなるわけです。
表裏差の改善なんて簡単にいいますけど、それが実施されるには相当な工程が必要になるということ。
たかが用具一つでもそれだけの工程が全部クリアできてはじめて成果になるわけですから、なかなか大変なことなんですよね~
コピー用紙の裏表の見分け方
ここまでコピー用紙の裏表は見分けがつかないというお話をしてきました。
基本的には品質的に裏表はなくなるように努力しているのでその部分での見分け方は難しい。
ただし、包装されている状態では「糊付けしている側が表面」になっていることが多いです。
通常これはコピー機メーカーの指示によるものですね。
包装から出している場合だと何枚か差なっている状態で断面を触ってみるというのもあります。
通常は表面から裏面にかけてカッターの刃を入れるので、表側の断面は丸くなり裏側の断面は反り返っている。
そのため指で触って引っかかるのが裏面ということになります。
これも断裁加工についてはプリンタメーカーの指示によるので、常に絶対そうだとは言えませんが、目安としては使えると思いますね。
いずれにしても、明確に表示があればいいんですが紙そのものから確実に分かる簡単な方法は難しそうです。
管理人的にはそんなのは気にせずどちらの面でも使えばいいと思いますけど。
管理人のまとめ
今回は、コピー用紙の裏表はあるのか?あるけど見分けは付きません!というお話でした。
紙の表裏差をなくすというのは、両面を印刷に使う紙には重要な課題でした。
なので、かつては比較的容易に紙の裏表を見分ける事ができたのですが、今ではマシンの改善、用具の改善によってかなり表裏差はなくなっています。
なので、コピー用紙の裏表はあるけど見分けがつかない、というのが結論です。
ただし、これは紙の品質面からは分からないということ。
たとえば包装されている状態なら糊付けされている開封面が表面になっている事が多いし、コピー用紙が束になっていれば、側面を指で触って引っかかる側が裏面という判断はできます。
常に絶対正解とはいいませんが目安にはなるでしょうね。
管理人的にはそういうことを気にしなくてもいいように紙を製造しているので普通のコピー機は表裏を気にせず使ってほしいと思いますけど。
この記事がコピー用紙の裏表の参考になればと思います。
コピー用紙、正しく使って下さいね!
(参考)
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